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4. 「よこすか」航海
(1)概要
「よこすか」の航海ではメルビル航海で得られた結果を考慮して代表的な熱水プルームの下でさまざまな観測や観察を行いました。私達が南部東太平洋海膨行ったことは簡単にすると以下のようになります。それは単純に、描く、見る、採る、測る、そして計算するという5つの項目です。具体的には以下のようです。
1)描く
HS−10(マルチナロービーム)大地形図
鯨敢図(3次元立体図)
微地形
2)見る(写真−1〜4)
?マグマ活動
溶岩湖、陥没、ピラー、シートブロー、枕状溶岩、縄状溶岩、板状溶岩
?テクトニクス
クラック、フィッシャー、グラーベン、リフト、断層
?熱水活動
デッドチムニー
ブラックスモーカー

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写真−1 溶岩湖のあとに残る溶岩柱です。かつてはこの柱の上まで湖のように溶岩が満ちていました。水深が深いので水蒸気爆発などは起こさず、ハワイの陸上の溶岩湖のようにおだやかな様相であったと考えられます

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写真−2 裂け目(フィッシャー)は、なめらかな海底が海底の拡大につれて引っ張られ、徐々に発達します。やがて、大きな止断層ができ、中軸谷が発達します

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写真−3 低温熱水地帯の生物群集。溶岩の余熱で低温の熱水が生じている海域には、たくさんの生物が集まっています。熱水で発生したたくさんのバクテリアが、この生物群集を支えています

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写真−4 枕状溶岩とシンカイコシオりエビ。海嶺軸から少し遠ざかると、なだらかだった海底は危急に大きな断層の繰り返しで低くなっていきます。海底に積もった枕状溶岩も、断ち切られて断面が見えています。海底で冷え固まったことを示す、「枕」の中央から表面への放射状の亀裂が見られます

 

 

 

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